2012年12月

12月1日(土)

本日は午前中の診察とプレドニンの服薬以外はなにもない一日だ。
ここK病院では、ステロイドパルス月〜水曜日の3日終了後、プレドニン服薬は木曜日と土曜日で、朝20mgと昼10mg。
一日合計30mgを隔日服用となるようで、それ以降も経過を見つつ最低半年は継続。
その経過中に症状が悪化したら、半年の間隔をあけて再度3クールのステロイドパルス実施、その時は放射線治療はない模様だ。
同病の入院仲間の情報によると、約半数の方が半年後に再パルスとなるらしい。

眼症症状がなくなったらあれもしたいこれもしたいと思うが、でもいつ改善するかわからない。
見えなくなるわけではないが、遠近感がなくダブり、目が動かしにくくて見にくい。
しかし、失明する疾患に比べたら、たいした疾患ではない。
色々な疾患で失明なさった方々のご苦労は、大変なものだろう。
それに比べたら、当方は現在、片目をつぶって首を動かせば平面的ではあるが物は確かに見える・・・。
たかが甲状腺眼症、されど甲状腺眼症・・・。

昼食後テレビを見ていたら、NHK「心の時間」で仏師の江里康慧先生が出演され、当方が私淑する、奥様の江里佐江子先生の事に話が及ぶ。
やはりすごい方だったのだなあ。
ご主人は奥様の事を「大自在」「完全燃焼」と表現されていた。
当方の命はあとどれくらいあるのかわからないが、佐江子先生が亡くなられた62歳まで、あと5年。
まだ5年ある、そしてあと5年しかない。
もちろん、江里先生のような雲の上の方の創作物と拙作とでは、雲泥の差よりももっと差が大きい。
しかし、一応物を作ることに楽しみを感じる者としては、「後どれくらい製作できるだろう」と焦る。
この目の状態では、ガラスは今までのような小さなものは当分作れない。
今回の病気は「創作方法を変えろ」との、これまた天の声!?かもしれないので、今のこの目で出来そうなことを模索してみる。
細部が見えない状況を活かして(?!)ぼんやりと漠然とした色や光や形が創れないかなあ・・・。
拙作をパネルのように仕立てることが頭に浮かぶ。
「ああ作ってみたら、こうしたら」と病床で構想をいろいろと思い描くのは、これはこれで気も紛れるし、たいへん楽しい。

昼からは、毎回のN病院への放射線治療通院時に車窓から目をつけておいた額屋さんに徒歩で行ってみる。
道を歩く時は相変わらずで、足元や周囲を見るとダブった景色が流れて見え、時々目まいのようなフワフワ感を感じる。
うっとおしくて片目をつぶって歩いたほうが楽かなあと思うときは、短時間、右や左目をつぶって歩いてみるが、寒い中いっそう顔がゆがむ?!
でもやはり、ジッと部屋に篭っているより外に出たいので、どこだったかなあと迷いつつ、無事お店前に到着。

お店の中を覗き込むと製作現場という感じで少し敷居が高かったが、勇気を出して入ってみる。
当方のような怪しい飛び込みの客にも関わらずご主人と息子さん(?)はとてもご親切で、展示に関していろいろと相談にのって下さりそうな、感じのいい方々だった。
これもご縁かもしれない。
K病院には今後も通院が必要なので、またこちらのお店に立ち寄らせてもらおう。
この症状を持ちつつ、この症状と付き合いつつ、もちろん状態悪化は極力避けつつ、無理のない範囲で今できることを始めたい。

帰路、新しい神社と禅寺を発見し、参拝。
今日は5000歩くらいかな?



12月2日(日)

いよいよ入院も明日までだ。
空室となってブラインドが開いている海側の病窓から7時過ぎの日の出が見えた。
日光を身体正面に受けて、太陽のエネルギーをいただいた。

午後は5000歩を目標に外出。
昨日の外出時に看板を見かけたN公園に登ってみる。
災害時崩壊危険地区に指定されている家々の間を通り過ぎて登ること10分ほどで、港が見下ろせる高台の公園に出た。
首を左に少しかしげてあまり視線を動かさないようにして、遠近感のない、ざわついてはっきりしない景色を両目でしばらく眺める。

R0010526.JPG

海側の病窓から見える景色とほぼ同じ方向だ。
肉眼ではざわついた景色だが、カメラでは当たり前のように撮れているのだろうなあとシャッターを押す。
今度この風景を肉眼で見る時はどんなふうに見えているのだろう。 
できれば少し改善した視覚世界を期待したいなあ・・・。



12月3日(月)

本日は退院日。
午前中はルーティーンな診察だが、本日は神経眼科がご専門のA先生の担当だ。
当方お話させていただくのは初めてで、これからの不安など質問してみると、朝のお忙しいところ、甲状腺眼症の全体像について時間をかけてお話して下さる。

・症状としてはおよそ半年、長くても1年ごろがピークであること。
・癌のように悪くなる可能性がある病気ではなく、風邪のようにいつかは治まる病気であること。
・治まった時にプリズムメガネの装着でOKだったり、手術が必要になったりする程度の症状差はあること。
・怪我をしたら治っていくがその経過は色々であり、例えばかさぶたが出来てはがれるとまた少し痛みが出たり逆戻りしたように見えるが、全体としては大きな方向で治癒していくのと同じで、甲状腺眼症の治癒経過も波があること。
・炎症が治まって筋肉が少し硬くなったり癒着したりする時に悪くなる感じがあるかもしれないが、それ自体が消炎の過程であるかもしれないということ。
・ステロイドパルスをして大きな方向として炎症を鎮めて行き、身体自体の治る力とともに改善へ向けること。
・その日の見え方など小さな症状変化に一喜一憂しても仕方がないこと。
・半年程度先のMRI等でチェックしつつ、長い目で対処すること。
・ ステロイドの影響ででも心理的に不安定になりがちなので、しっかり眠るようにすることなど、心理的な支えも大切であること。

当方としては、本当は10聞きたいところだが先生もお忙しいだろうし遠慮して1だけご質問したところ、こちらの気持ちを察して下さり、10、いやそれ以上お答えいただいた!
話される内容もお話のなさり方も、患者が安心でき、また前向きに、またゆっくりとした目で病気と付き合っていこうと思えた。
A先生に直接お話を伺うことが出来て、本当によかったなあ〜!
退室間際に「ビールいけませんか?」と伺うと、「まあ医者ですし、聞かなかったことにしましょう」とのこと。
そうか・・・、ちょっと考えよう・・・。

午後は、N病院で10回目の放射線治療を受ける。
眼窩部は20グレイが限度で、この部位にもう一度放射線治療をすることは出来ないようだ。
この部位には我が人生最後の?!放射線治療を、充分味わって受ける。
往復の車中では、本日が放射線治療初日という男性の同病の方とご一緒となり、合計3人プラス運転手さんと4人で、しばし話す。
やはり比率的には男性は少ないようである。
運転手さんのお話では、今週中はこの男性お一人だけだが、来週はまた新患の方が更に増える予定とのこと。
この病気の方は居ないようで居られるのだなあ。

夕方、連れ合いが迎えに来てくれる。
車に荷物を積み込んで、どうか再入院がありませんようにと祈りつつ病院を後にする。
車から見える景色も、入院前の見え方とは画期的な差はない。外の景色を見ているととても目が疲れるので、あらぬ方をボンヤリと眺めつつ、助手席で車中を過ごす。

この「ボンヤリと眺める」ということが、このところ出来る、いや、許せるようになってきたのは、ちょっとした自分の中の変化かもしれない。
数ヶ月前は、「ちゃんと見たいのにダブってしまって見る事が出来ないという現実」が受け入れられなかった。
意地でもしっかり焦点を合わせて見たいのに見る事が出来ないことにイライラしていると、連れ合いは「無理せずボンヤリと見れば?」と言う。
パソコンの前で、悔しいけれど片目をつぶって入力していると、連れ合いは「眼帯すれば?目を必死につぶらなくていい分、楽だと思うよ」と言う。
でもどうしても眼帯をして現状を受け入れるのは許せない気がする・・・。

しかし、今回の入院で、「今出来ることは全部したし、後はなるようになる」というlet it be の心境に少しなれた感じがする。
良いも悪いもなく、今あるように今の状態を受け入れることは、その時の気持ちによって出来たり出来なくなったりするが・・・。
病状自体に大きな改善はなかったが、ステロイドの大きな副作用もなく過ごせた。
入院中一週間に一度の血液検査でも白血球とコレステロールが高値になった程度で、起こるかも知れないといわれた、高血圧・肝障害・糖尿などの副作用もなく過ごす事ができた。
無事退院できることに安堵しよう。

帰宅後は、ヘルシーな病院食の反動で「コッテコテにチーズののったジャンキーなピザ、誕生日ケーキはチョコレートッ!!!!!」
「オイオイ、コレステロール値は大丈夫?!まあ退院日くらいはいいやん」と自問自答。
ビールは当分止めようっと。

R0010533.JPG

次回の通院日は、12月28日予定。



12月4日

この1週間は、結局始末し切れなかった残務整理や来週以降の仕事の準備をし、生活リズムを取り戻すべく過ごすこととする。

服薬は、甲状腺眼症に対して、プレドニン隔日30mg(朝20mg・昼10mg)、パリエット10mg、ボナロン週一回一錠。加えて甲状腺機能低下に対してチラージン75μg。
一週間分が通して入れられるピルケースに入れて管理する。
仕事で外出時は、隔日(今月は奇数日が服薬日)の昼のプレドニン持参を忘れそうなので、予備のプレドニンを財布に入れておく。

とにかく一日1回は外出して7000歩は歩くこととする。

また、疲れが自覚できずにガンガン仕事をしていて当たり前だと思っていたが、どうもこれはバセドウ病の性格特徴かもしれないということがこのごろ自覚できてきたので、意識して時々休憩することにする。

また、どうも「あれもこれもやりたい」とあれこれ予定をギュウギュウ詰め込んで、予定通り出来ないとイラつくということが、最も目に負担となっているような気がするので(実際、気持ちが焦ると瞼が挙がるのがわかるようになった。流石、瞼は交感神経支配っ!?)、あれこれ仕事を詰め込まないように心掛けることが、当面の一番の仕事だ。

50代後半になってなかなか性格や習慣をかえることは難しいが、友人に、「今後のモットーは《エレガント》。もっとゆっくり動きます。」と宣言したので、約束を守らなくっちゃ。



12月11日

退院後初めての電車出勤だ。
インフルエンザが蔓延し始めるこれからの季節、車が運転できない為、どこに行くにも公共機関を利用せざるをえない。
まあ、省エネ、且つ徒歩で移動で健康にも良いということで、これも天の声か?!

感染予防にマスクをして電車に乗り込み、ゴホゴホ咳をする人が同一車両にいたら、次の停車駅でひとまず降りて隣の車両に即乗り換える作戦で、何とか無事職場に到着。
久しぶりの大学での講義だが、学生さん達があれこれと心配りをしてくれるのも嬉しい。
90分×2コマの講義も途中で休憩せずに無事済ませることができて、ほっと一安心。
仕事をすることで元気をもらうことができた。

そういえばこのところ、目の周囲の不快感で目を洗う回数が減ってきたように思う。
11月の入院以前は、一日に10回近くは目を冷水で洗うというか冷やすというか、とにかく不快感を鎮めたくて洗面台に向かうことが多かった。
また、ほとんど気休めにしかならないのはわかっているが、サンコバやヒアレインなどの点眼薬を幾度もさして、気を紛らわせていた。
しかし気がつけば、このところ洗面台で目を洗うことが一日のうちに1,2回と少ない日もあり、点眼薬をさす回数も減ってきた。
目の周囲の不快感がゆっくりと、自分でも気つかないくらいゆっくりと軽減しているのかもしれない。
糠喜びにならないことを期待したい。

話しは変わるが、このところ左右臀部の筋肉痛というか、つっぱるような痛みというか、ヘンな痛みが浮動的にある。
ネットで検索すると、ステロイドの副作用のところで、大腿骨骨頭壊死というこわ〜い病名と共に、筋肉痛・関節痛・臀部痛などが記載されている・・・。
当方の痛みも、ステロイドの副作用か?!



12月28日

本日は退院後初めてのK病院受診日。

血液検査・眼圧検査・眼底検査・視力検査・Hess赤緑試験・ゴールドマン視野計・上方視など顔面写真撮影実施。
S先生の診察時、目の周りの不快感が少し減ってきたように感じること・見え方にはあまり変化がないこと・体調に大きな変化はないが左右下肢痛や臀部痛があること、をお伝えする。
先生の「大丈夫。良い経過だと思いますよ。ゆっくり良くなって来ると思いますよ」とのお言葉に大いに励まされる。
血液検査でも糖尿や肝障害などなく、目の検査でも著変ないので、ステロイドは次の1ヶ月は25mg、大きな問題がなければその次の1ヶ月は20mgに減らしていくとのこと。
臀部痛については、S先生が今までにご覧になった患者さんの中では聞かないとのこと。
次回は2ヶ月先でもOKとのことだが、一ヶ月に1回来ている方が安心感があるとお伝えすると、「お仕事に差し支えないのなら、その方がこちらもいいです」との心配りの有り難いお言葉。

S先生に診ていただくと、もうお任せしようという安心できる気持ちになれるなあ。
「一人でクヨクヨ悪あがきせず、大きな流れに身を任せよう」という、一種諦めというか開き直りと言うか、この気持ちが実は一番大切かもしれないな。

次回は2月1日受診予定となる。

posted by 田上惠美子 at 16:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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